フライト中に飛行機の中で傷病者が出てしまうのはしばしばあることであり、それに対して航空会社は適切に対応しなければなりません。フライトナースはそのために雇用されている人材であり、飛行機の中の傷病者に対して適切な対応を取れるスキルが必要になります。

 各地へのフライトの途中にはトラブルが発生することも多く、予定よりもフライトが長引いたために持病が悪化してしまう人もいれば、乱気流の影響で揺れが生じて乗り物酔いになってしまう人もいます。突然の風による揺れで頭を打って怪我をしてしまう人もいないわけではありません。様々な状況に対して何をすべきかを適切に判断できなければならないのです。

 また、飛行機の機内は病院のように医療設備充実しているわけではないので、傷病者の訴えに耳を傾け、自分でも症状を観察しながら全てを判断しなければならないので、現場の経験が欠かせない職種と言えるでしょう。しかも、医療現場での臨床経験が長いことに加えて、一つの診療科に限らずに広い経験を積んでいる人が好まれる傾向にあり、現場経験に基づいた判断力も重要です。

 何をすべきかを速やかに決断できなければならない状況に立たされるリスクが常にあるため、フライトナースは経験が採用に大きく影響します。医師と同じレベルでの診断力が求められる場合も多く、臨床現場で働いているときから医師が行っている診断についても見習っておくことが大切です。